平成27年9月 月例インターネット句会 Vol.43結果発表 

木暮陶句郎 選

◎特選 5句
 秋扇秘めしつぶやき折りたたむ           星野 裕子
 鰯雲湧いては消える言葉かな       脇 のぞみ
 指先で揺らすグラスよ星月夜       星野 裕子
 笊の栗そのままにして喪の厨       峯岸 俊江
 秋水に映る世界へ行かぬやう       中野 千秋
  江ノ電のベルの乾きや秋の旅       杉山 加織

〇入選 25句

 
霽やらぬ霖雨に太る毒茸           稲葉 京閑  
  風にのる妣のララバイ夕花野        はたの としはる
  ビストロの小さき看板秋灯          杉山 加織  
  朝風呂に洗心をして霧の句座        阿部ひで希
  初嵐ラピスラズリの風狂ふ          星野 裕子
  一堂に会す宴や菊膾             鈴木 由里子
  雨雫薄の描く放物線             稲葉 京閑
  侘びしさを纒ふ我が身に虫すだく     清水  檀
  虫の音や心の襞に染みて夜        清水  檀
  漣の寄せて崩るる鰯雲           星野 裕子
  雨音に声細々とすがれ虫          峯岸 俊江
  ベイサイド斜交ひに切る秋日傘      杉山 加織
  台風裡大海原へ護衛艦           阿部ひで希
  霧の谷まだら模様のうつ気分       安部じゅん
  秋夕焼偏平足の友逝きぬ         安部じゅん
  霧動き突と現はる榛名富士         阿部ひで希
  曼珠沙華生まれかはりてみたけれど   鈴木由里子
  足跡を消して行くなり秋の雨        脇 のぞみ
  灰色の襞押し寄せり野分浪         杉山 加織
  友逝きて天駆け巡るいわし雲        安部じゅん
  コスモスや吾も揺れながら生きてゐる   中野 千秋
  濁流をなだめをりしか葛の土手       安部じゅん
 しろがねの波間見せをり野分晴       杉山 加織
  内臓も頭もとりて秋刀魚焼く         堤 かがり
  貨物線引き込んでゆく花野かな      鈴木由里子 
 
 


互選

 5票
 霧冷えの指のメールに嘘少し              木暮 陶句郎

 4票
 秋扇秘めしつぶやき折りたたむ      星野 裕子
  
3票  
 貨物線引き込んでゆく花野かな       鈴木由里子
 指先で揺らすグラスよ星月夜        星野 裕子 
     
2票
 曼珠沙華生まれかはりてみたけれど   鈴木由里子
 鰯雲湧いては消える言葉かな       脇 のぞみ
  蜻蛉舞ふ洗いざらしの空を恋ひ      木暮陶句郎
 山風のぶつかるところ葛の花       木暮陶句郎
 ビストロの小さき看板秋灯         杉山 加織
 冷やかやガラス細工のネツクレス    堤 かがり
  

1票
 遠き野のゆれる灯影や虫の村      はたの としはる
 虫の音や心の襞に染みて夜       清水  檀 
 ぐるり田を朱に縁取りて曼珠沙華    清水  檀
 初嵐ラピスラズリの風狂ふ        星野 裕子
 秋桜過去の風には知らん振り      星野 裕子
 手のひらで赤子泣くなり曼珠沙華    鈴木 由里子
 台風裡大海原へ護衛艦          阿部ひで希
 この森の天井辺りつづれさせ      阿部ひで希
 秋夕焼偏平足の友逝きぬ        安部 じゅん
  子守唄創りし秋の京下宿         安部 じゅん
 露一つ消えて漢の涙かな        峯岸 俊江
 稜線のひときは高き台風過       峯岸 俊江
 江ノ電のベルの乾きや秋の旅     杉山 加織
 朝霧や信濃の空は明けきれず     堤 かがり
 鶏頭のずしりと重き種を刈る      堤 かがり
 秋海棠咲かせ気ままな魔女暮し    中野 千秋
 秋水に映る世界へ行かぬやう     中野 千秋
 コスモスや吾も揺れながら生きてゐる  中野 千秋

 
(平成27年9月「ひろそ火インターネット句会 Vol.43」投句13名、選句12名。今回の結果を『ひろそ火』2015年11月号にて掲載予定です。)

※過去の結果 
 2012年 3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2013年 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2014年 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2015年 1月2月3月4月5月6月7月8月 
来月の参加もお待ちしております!!  

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