畳目の緩む音して夏座敷 杉山 加織 夏旺ん森の呼吸が渦を巻き 中野 千秋 万緑を切り抜きて池蒼かりき 稲葉 京閑 炎昼や火傷しさうな摩天楼 星野 裕子 起き抜けの炭酸水や梅雨明ける 中野 千秋 白服の光返せる青き午後 杉山 加織木暮陶句郎 選
◎特選 6句
畳目の緩む音して夏座敷 杉山 加織
夏旺ん森の呼吸が渦を巻き 中野 千秋
万緑を切り抜きて池蒼かりき 稲葉 京閑 炎昼や火傷しさうな摩天楼 星野 裕子
起き抜けの炭酸水や梅雨明ける 中野 千秋
白服の光返せる青き午後 杉山 加織
〇入選 23句
凭れても腰下ろしても蟻領土 稲葉 京閑
朝まだきひとり消えゆく登山靴 佐藤 重人
七夕や渡船で越ゆる県境 中野 千秋
紅の傘を傾げて梅雨の宿 清水 檀
目的地近し緑陰突つ切りて 稲葉 京閑
若竹の明るさ擦れ合ってをり 安部じゅん
キラキラと風をほぐして蔦青し 星野 裕子
木洩れ日の点と線踏む大緑陰 稲葉 京閑
抱き上げし甚平いとし紺絣 堤 かがり
濡れし葉に嬉々と顔見せ蝸牛 清水 檀
思ひ出はセピアの夢やサングラス 杉山 加織
病葉の色褪せもせず朽ちもせず 清水 檀
しやぼん玉虹色の谷渡りけり 安部じゅん
青柿の短き命掌に包む 清水 檀
未来へと飛ばしてみたい夏帽子 星野 裕子
ハンモック吊りてレジャーの型に入る 堤 かがり
黄昏は心ゆるめてサングラス 佐藤 重人
七夕竹立てて小児科医院なる 星野 裕子
緑蔭へ時間制限逃避行 中野 千秋
船旅のディナーはサマードレス着て 峯岸 俊江
夏草や遺跡となりし村のあと 峯岸 俊江
頂へ一歩の重み登山靴 佐藤 重人
緑蔭の奥より響く子等の声 中野 千秋
互選
４票
炎昼や火傷しさうな摩天楼 星野 裕子
３票
木洩れ日の点と線踏む大緑蔭 稲葉 京閑
夏旺ん森の呼吸が渦を巻き 中野 千秋
梅雨深し大江戸線は川の底 木暮 陶句郎
白南風や洗いざらしの君のシャツ 木暮 陶句郎
そそり立つ浪の碧さや梅雨明くる 木暮 陶句郎
２票
凭れても腰下ろしても蟻領土 稲葉 京閑
未来へと飛ばしてみたい夏帽子 星野 裕子
七夕竹立てて小児科医院なる 星野 裕子
夏草や遺跡となりし村のあと 峯岸 俊江
頂へ一歩の重み登山靴 佐藤 重人
白服の光返せる青き午後 杉山 加織
１票
目的地近し緑陰突っ切りて 稲葉 京閑
万緑を切り抜きて池蒼かりき 稲葉 京閑
濡れし葉に嬉々と顔見せ蝸牛 清水 檀
キラキラと風をほぐして蔦青し 星野 裕子
青蔦や昭和のころの写真館 星野 裕子
真つ新な山の湯に入り冷奴 堤 かがり
しやぼん玉虹色の谷渡りけり 安部じゅん
若竹の明るさ擦れ合ってをり 安部じゅん
この街に再び会はずサングラス 鈴木由里子
愛されて忘れられゐてサングラス 鈴木由里子
だんまりの君が優しい夕端居 鈴木由里子
滝落ちて立ち直りたる瀬音かな 佐藤 重人
稜線を明明にして大夕焼 阿部ひで希
七夕や渡船で越ゆる県境 中野 千秋
起き抜けの炭酸水や梅雨明ける 中野 千秋
きりきりと畳む五月雨傘しづく 木暮陶句郎
思ひ出はセピアの夢やサングラス 杉山 加織
青葡萄風の呟き膨らみぬ 杉山 加織
（平成27年7月「ひろそ火インターネット句会 Vol.41」投句12名、選句11名。今回の結果を『ひろそ火』2015年9月号にて掲載予定です。）
※過去の結果
2012年 3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
2013年 1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
2014年 1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
2015年 １月、２月、3月、4月、5月、6月
来月の参加もお待ちしております！！
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