平成25年8月 月例インターネット句会 Vol.18結果発表 

木暮陶句郎 選

◎特選 5句
 日の中に取り残されし西瓜かな            峯岸 俊江          
 はたたがみ人の弱さの見え隠れ          阿部ひで希
 夕焼や返すあてなき本二冊             安部じゅん
 手の中の闇に揚がりし遠花火            星野 裕子
 夏の月ヴィオラは首を傾げ弾く           星野 裕子

〇入選 25句
 
 水底に水の影さすひろしま忌             中野 千秋
 花火果つ残像に又酔ふごとく             清水  檀
 新秋の水面に深し信濃富士              佐藤 重人
 ひろしま忌紙飛行機を見失ふ             中野 千秋  
 音立てず薄羽蜉蝣窓を打つ              稲葉 京閑
 七夕や園児のお願ひ頬緩む              清水  檀
 蜉蝣のパントマイムの切なさよ            稲葉 京閑
 地を揺らす音にどよめく大花火            清水  檀
 西方に紅のパンドラ大夕焼              安部じゅん 
 炎天の影の溶けだす舗道かな            星野 裕子
 海の家只今お昼寝時間中               稲葉 京閑
 かるのこの親は覚満淵を飛ぶ             安部じゅん
 かなかなの引き摺つてゆく過去の音         杉山 加織
 湖の花火炸裂色こぼし                 阿部ひで希
 ナイターに勝てば朝刊待ち遠し            安部じゅん
 奥信濃どこかふふさと葛の花             佐藤 重人
 大花火水神様を喜ばす                 中野 千秋
 妙義嶺の岩に反へされ蝉しぐれ            阿部ひで希
 蝉落ちて背に焼きつく断末魔              佐藤 重人
 輪唱の森に渦巻く蝉しぐれ               佐藤 重人
 肩に網掛けて森へと夏休み              阿部ひで希
 秋めいて森のことばのなだらかに           杉山 加織
 まだ小さき秋の来てをり葉の先に           清水  檀
 甲虫の死骸破れし戦車めき              峯岸 俊江
 雪渓の空深きへと息を継ぐ              佐藤 重人
 

 
 
 


互選


5票
かなかなの引き摺つてゆく過去の音    杉山 加織

  
4票
 
胸透けて煩悩透けて滝行者         木暮陶句郎
 水底に水の影さすひろしま忌        中野 千秋

3票  
 
 零戦の消えてゆきたる夏の空        中野 千秋

 
    
2票
 
 
花火果つ残像に又酔ふごとく         清水  檀
 炎天の影の溶けだす舗道かな        星野 裕子
 夕焼や返すあてなき本二冊          安部じゅん
 銀漢や永遠といふまぼろしに         木暮陶句郎
 輪唱の森に渦巻く蝉しぐれ           佐藤 重人
 蝉時雨座れば石になりさうな          木暮陶句郎
 銀河濃し涙も星になりさうな          木暮陶句郎
  
 

 
1票
 日の中に取り残されし西瓜かな         峯岸 俊江
 ひろしま忌紙飛行機を見失ふ          中野 千秋
 音立てず薄羽蜉蝣窓を打つ           稲葉 京閑
 地を揺らす音にどよめく大花火         清水  檀
 稲光皮膚に秘めたる悲鳴かな          杉山 加織
 炎天の影の溶けだす舗道かな         星野 裕子
 海の家只今お昼寝時間中            稲葉 京閑
 初秋の雲とてひとりごちてをり          杉山 加織
 百日紅風が燃やしてをりにけり         木暮陶句郎
 格子戸の古き家並み路地涼し         星野 裕子
 大花火果つ骨のごと白けむり          中野 千秋
 秋涼し朝の散歩の回り道            峯岸 俊江
 妙義嶺の岩に反へされ蝉しぐれ        阿部ひで希
 秋めいて森の言葉のなだらかに        杉山 加織
 生きる意味心に刻み法師蝉           清水  檀
 夏の月ヴィオラは首を傾げ弾く         星野 裕子 
 
  
 

星野 裕子選水底に水の影さすひろしま忌
かなかなの引き摺つてゆく過去の音
銀河濃し涙も星になりさうな
輪唱の森に渦巻く蝉しぐれ
秋めいて森のことばのなだらかに


 
清水 檀選
水底に水の影さすひろしま忌
炎天の影の溶けだす舗道かな
零戦の消えてゆきたる夏の空
かなかなの引き摺つてゆく過去の音
百日紅風が燃やしてをりにけり


中野 千秋選
海の家只今お昼寝時間中
夕焼や返すあてなき本二冊
格子戸の古き家並み路地涼し
妙義嶺の岩に反へされ蝉しぐれ
蝉時雨座れば石になりさうな


稲葉 京閑選
胸透けて煩悩透けて滝行者
水底に水の影さすひろしま忌
ひろしま忌紙飛行機を見失ふ
炎天の影の溶けだす舗道かな
夏の月ヴィオラは首を傾げ弾く


安部じゅん選
稲光皮膚に秘めたる悲鳴かな
零戦の消えてゆきたる夏の空
かなかなの引き摺つてゆく過去の音
初秋の雲とてひとりごちてをり
生きる意味心に刻み法師蝉


峯岸 俊江選
花火果つ残像に又酔ふごとく
地を揺らす音にどよめく大花火
零戦の消えてゆきたる夏の空
夕焼や返すあてなき本二冊
銀漢や永遠といふまぼろしに


佐藤 重人選
胸透けて煩悩透けて滝行者
花火果つ残像に又酔ふごとく
日の中に取り残されし西瓜かな
かなかなの引き摺つてゆく過去の音
蝉時雨座れば石になりさうな


阿部ひで希選
胸透けて煩悩透けて滝行者
音立てず薄羽蜉蝣窓を打つ
かなかなの引き摺つてゆく過去の音
銀漢や永遠といふまぼろしに
輪唱の森に渦巻く蝉しぐれ


杉山 加織選
胸透けて煩悩透けて滝行者

水底に水の影さすひろしま忌

秋涼し朝の散歩の回り道

大花火果つ骨のごと白けむり

銀河濃し涙も星になりさうな

 
(平成25年8月「ひろそ火インターネット句会 Vol.18」投句10名、選句10名。今回の結果を『ひろそ火』2013年10月号にて掲載予定です。)

※過去の結果 
2012年 3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2013年 1月2月3月4月5月6月7月
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