ソーダ水はじけ南の海想ふ 中野 千秋 那智の海打ち寄せる惜春の波 安部じゅん 昨日より今日を輝く苔の花 稲葉 京閑 触るるものみな梅雨の息掛かりをり 佐藤 友子 端居して少年の頃の庇傷 佐藤 重人
木暮陶句郎 選
◎特選 ５句
ソーダ水はじけ南の海想ふ 中野 千秋
那智の海打ち寄せる惜春の波 安部じゅん
昨日より今日を輝く苔の花 稲葉 京閑
触るるものみな梅雨の息掛かりをり 佐藤 友子
端居して少年の頃の庇傷 佐藤 重人
〇入選 25句
緑陰と謂う縄張りに身を隠す 佐藤 重人
桷の花白く縁取る句碑の径 阿部ひで希
梅雨の蝶一瞬の綺羅たたみをり 杉山 加織
夏つばめ濡れた大気を掬ひ上げ 佐藤 友子
オパールの明かり灯して額の花 佐藤 友子
冷房開始まづは埃の匂ひかな 中野 千秋
噴水の広がる高さ綺羅騒ぐ 稲葉 京閑
短夜の読みたき文庫積みしまま 清水 檀
まどろみに潮の匂ひや明易し 中野 千秋
白服に託してをりぬ恋心 杉山 加織
金属のごときゴキブリ見逃せり 中野 千秋
形なき水を自由に水馬 星野 裕子
釣り糸の掛かりしままや木下闇 阿部ひで希
梅雨空へ櫂を合はせる声高し 阿部ひで希
桜の実紅極まりて落ちにけり 佐藤 重人
騒がしきまでには足らぬ田の蛙 阿部ひで希
走り梅雨空に溶けゆく海の果 中野 千秋
薔薇咲くや小川に浮かぶオフィーリア 星野 裕子
夏の日のバーベキューにはポン酢かな 水上 一葉
ブナの葉を透きとおらせて風薫る 安部じゅん
穴子飯平氏の夢も共に喰ふ 安部じゅん
梅雨寒に今夜のワイン決め兼ねて 佐藤 友子
青梅雨の山の切れ目を高速道 稲葉 京閑
恋といふ奈落あるらし蛍の火 星野 裕子
友ありて句作に励む夏野かな 水上 一葉
互選
７票
夏服の水玉弾けさうに来る 木暮陶句郎
４票
梅雨の蝶一瞬の綺羅たたみをり 杉山 加織 ３票
梅雨寒に君想ふ夜の独り酒 水上 一葉
草笛の草の疲れて来たる音 木暮陶句郎
２票
メルヘンの国へいざなふ薔薇アーチ 星野 裕子
夏つばめ濡れた大気を掬ひ上げ 佐藤 友子
父の出た日の耳鳴りやほととぎす 佐藤 重人
四葩てふ青の息吹の膨らみぬ 杉山 加織
ソーダ水はじけ南の海想ふ 中野 千秋
穴子飯平氏の夢も共に喰ふ 安部じゅん
少女めく心ありけり藍浴衣 木暮陶句郎
春惜しみ落ち行く滝の音や無心 安部じゅん
触るるものみな梅雨の息掛かりをり 佐藤 友子
恋いふ奈落あるらし蛍の火 星野 裕子
１票
今朝はまだ誰も通らず蜘蛛の陣 稲葉 京閑
緑陰と謂う縄張りに身を隠す 佐藤 重人
地球とは命の星や青葉潮 木暮陶句郎
冷房開始まづは埃の匂ひかな 中野 千秋
金属のごときゴキブリ見逃せり 中野 千秋
形なき水を自由に水馬 星野 裕子
釣り糸の掛かりしままや木下闇 阿部ひで希
昨日より今日を輝く苔の花 稲葉 京閑
こんがりと景を染め分け麦熟るる 清水 檀
薔薇咲くや小川に浮かぶオフィーリア 星野 裕子
那智の海打ち寄せる惜春の波 安部じゅん
誓約書涼しき文字の並びをり 杉山 加織
（平成25年6月「ひろそ火インターネット句会 Vol.16」投句11名、選句11名。今回の結果を『ひろそ火』2013年8月号にて掲載予定です。）
※過去の結果
2012年 3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
2013年 1月、2月、3月、4月、5月
来月の参加もお待ちしております！！
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