木暮陶句郎 選
◎特選 5句
韓の壺なり侘助のめざめけり 佐藤 重人
草萌ゆる太陽たった一つだけ 稲葉 京閑
ももいろに染まる山々春浅し 中野 千秋
一人居の春障子なる繭の中 中野 千秋
巻き貝を攫う夕波実朝忌 星野 裕子
〇入選 17句
立春大吉澄んだ音たて花鋏 中野 千秋
夜来風鎮みて上州春兆す 佐藤 重人
早春の雲に残りし鉛色 稲葉 京閑
白ワイン小樽の雪を映しをり 清水 檀
石ころは地球の小骨春立ちぬ 中野 千秋
腕を組み小樽の街や小米雪 清水 檀
光吸ひ光を吐きて春の森 星野 裕子
風も陽も食んで運河の大氷柱 清水 檀
本能の呼び起こされし春の夜半 杉山 加織
春雪に黒きタイヤの網目跡 峯岸 俊江
袋より飛び出すキャンディー春の色 星野 裕子
寒月にあやしげな雲流れけり 阿部ひで希
無住寺の本殿を守る春目張り 阿部ひで希
来る人の皆撫でてゆく猫柳 星野 裕子
砂利袋まだ道端に寒の明 峯岸 俊江
木椅子みな春の日差しのカフェテラス 星野 裕子
雪明かり天より言葉舞ひてをり 清水 檀
互選
5票
恋といふ名前の風も吹いて春 木暮陶句郎
4票
春霙降りたる泪色の街 木暮陶句郎
3票
青インク滲みやすくて春霙 木暮陶句郎
2票
草萌ゆる太陽たった一つだけ 稲葉 京閑
風も陽も食んで運河の大氷柱 清水 檀
一人居の春障子なる繭の中 中野 千秋
木椅子みな春の日差しのカフェテラス 星野 裕子
巻き貝を攫う夕波実朝忌 星野 裕子
1票
立春大吉澄んだ音たて花鋏 中野 千秋
耳奥の清らかになる雪の朝 杉山 加織
春光が漣の数増やしをり 杉山 加織
絵日記にひげ根の長きクロッカス 峯岸 俊江
石ころは地球の小骨春立ちぬ 中野 千秋
北斎の波間見てをり冬の海 清水 檀
犬走りのそりのそりと恋の猫 稲葉 京閑
光吸ひ光を吐きて春の森 星野 裕子
スクラムを組む臘梅の香る径 阿部 ひで希
春雪に黒きタイヤの網目跡 峯岸 俊江
寒月や影ひきずって野良の街 佐藤 重人
むずといふ音忍ばせて春の立つ 杉山 加織
枝先の純白剥がれ雪解急 阿部ひで希
互選内容
星野 裕子 選
恋といふ名前の風も吹いて春
草萌ゆる太陽たった一つだけ
風も陽も食んで運河の大氷柱
一人居の春障子なる繭の中
春霙降りたる泪色の街
中野 千秋 選
恋といふ名前の風も吹いて春
絵日記にひげ根の長きクロッカス
青インク滲みやすくて春霙
風も陽も食んで運河の大氷柱
木椅子みな春の日差しのカフェテラス
峯岸 俊江 選
立春大吉澄んだ音たて花鋏
犬走りのそりのそりと恋の猫
むずといふ音忍ばせて春の立つ
巻き貝を攫う夕波実朝忌
枝先の純白剥がれ雪解急
清水 檀 選
青インク滲みやすくて春霙
スクラムを組む臘梅の香る径
春雪に黒きタイヤの網目跡
寒月や影ひきずって野良の街
春霙降りたる泪色の街
稲葉 京閑 選
耳奥の清らかになる雪の朝
恋といふ名前の風も吹いて春
春光が漣の数増やしをり
北斎の波間見てをり冬の海
巻き貝を攫う夕波実朝忌
杉山 加織 選
恋といふ名前の風も吹いて春
石ころは地球の小骨春立ちぬ
草萌ゆる太陽たった一つだけ
一人居の春障子なる繭の中
春霙降りたる泪色の街
阿部ひで希 選
恋といふ名前の風も吹いて春
青インク滲みやすくて春霙
光吸ひ光を吐きて春の森
木椅子みな春の日差しのカフェテラス
春霙降りたる泪色の街
(平成25年2月「ひろそ火インターネット句会 Vol.12」投句9名。今回の結果を『ひろそ火』2013年4月号にて掲載予定です。)
※過去の結果 3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、2013年1月 からご覧いただけます。
来月の参加もお待ちしております!!
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